おせちもいいけどカレーもね

んなフレーズをレトルト食品のコマーシャルで覚えている。昔は少なくとも正月の三が日はおせち料理と決まっていた。主婦が正月くらい台所に立たなくてもいいようにとの配慮があったに決まっている。昭和30年代では正月は外へ出たって寿司屋以外はどこも営業していないし、安アパートで一人暮らしをしていた私などは正月前に何の準備もしていなかったために餓死しそうになったくらいだ。

せち料理も何度も食べれば当然に飽きてくる。なんとなく甘い味付けが多いし二度も食べたら嫌になる。 現在ではコンビニだって元旦からやってるし、駅前まで行けば結構レストランなんかも営業している。私のように餓死しそうになる人はいないはずである。そうなると、ますますおせち料理は必要なくなってくる。「おせちもいいけどカレーもね」なんてわざわざ言わなくても、とっくに違うものを食べている。

ころが、独身時代にはわけもなく餅を購入したりする。自分だって一般の社会人なんだと思うと料理なんかできないので少量のおせちも購入する。ところが購入した量が問題となる。餅も数個で十分なのに、結構大量に買ったりする。雑煮をつくる技術は持ち合わせていないので、納豆をかけたり、缶詰のゆで小豆をかけたりするが、やはりすぐに飽きてしまう。餅だけが虚しく大量に残る結果となる。しかし、ここで天使の一言が表題の言葉である。「おせちもいいけどカレーもね」・・・・そうかこの手があったではないか。

度はレトルトのカレーを大量に買い込んできて、暖めた餅に振りかける。昔からカレーライスにはウスターソースもかけて食べる方なので、これも怠ることはない。

あ、しかし皆様には決しておすすめしているわけではないのです。カレーというのはライスだとかナンだとかとは合うようだが、餅とは決して合わない! ソースなんかかけた日にはもう食べ物とは呼べない。しかし、金もないのに買い込んだ食材がこれだけであれば、一日三食、三日間もカレーをかけた餅を食べ続けた私を想像していただきたい。がまん強さだけは絶対に自慢できる。