酉の市

つも11月になると酉の市に出掛ける。ビジネスを主宰するようになってからは欠かしたことがない。11月中の酉の市の日に開催されるから2日だったり、3日あったりする。「三の酉の日がある年は火事が多い」なんて江戸の人間は言ったそうだ。辭頑焔



起やなによりも繁盛を「かっこめかっこめ」というわけで熊手を購入してくる。神社が直接販売するものは700円~1,500円くらいのものだが、これを稼ぐ時のテキ屋さんが作る熊手はちょっと違う。うっかりすると10万円だってめずらしくもない。

あ、いつもの適度な大きさのものを買ってくるのだが、その帰り道がいけない。数々の屋台の誘惑に勝てず、どうでもいいものを買ってくる。

ビーカステラの店がやたらに増えた。型のついた鉄板に小麦でできたカステラの具を流し込んでいっぺんに50個焼ける。プンと砂糖の香りが漂う。たぶんデパートの地下で売っているカステラの方がうまいに決まっているのだが、つい手が出てしまう。熱いうちはいいのだが、時間とともにパサパサになる。

ャガバターというものも怪しい。すでにふかしてふにゃふにゃになったじゃがいもに大量のマーガリン(絶対にバターではない)をベタッと乗っけて紙の袋にいれてくれる。これで400円だから高すぎる。

は怪しいものだらけだったのだ。でもベビーカステラを食べ、ジャガバターを食べ、あんず飴を食べるのがうれしかった。舌が真っ赤になるゼリーも好きだった。ふと遠くを見るような感じで昔の自分を思い出してしまう。